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世界の情勢と日本の国際的地位の変化

世界の情勢と日本の役割

 1989年12月の米ソ首脳による「冷戦の終結宣言」(マルタ会談)が象徴的に示すように、世界は大きく変化しつつある。そして、その潮流は、世界の趨勢が軍事力やイデオロギーに基づく力の政治から、平和を求める民主的な政治、物質的に豊かな経済、文化的に自由な世界の構築を目指していることである。
 このように世界が新しい秩序の構築を求めて模索するとき、日本の果たすべき政治的・経済的役割も大きくなっている。日本国憲法前文にも明記されているように「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」のである。それぞれの国情にあった資金援助や技術援助を行うなど、さまざまな分野で積極的に貢献することが「世界の中の日本」として重要なことであり、そのことが世界の平和と繁栄に寄与することになるのである。

科学技術の発達と相互依存の深まり

 今日の国際社会は、コンピュータや通信衛星などの先端技術が著しく発達した社会である。たとえば、私達は世界各地の人びとと直接通話ができたり、テレビの映像を通じて、即時に外国のようすをみることもできる。
また、日本にいて、外国の株式の取引や商品の売買をすることもできるなど、政治・経済活動や人的交流のボーダーレス化が急速に進んでいる。
 ハイテク技術は通信技術だけでなく、さまざまな電気製品や自動車などに使われ、私達の日常生活を豊かなものにしている。しかし、同時に、こうしたすぐれた技術が、核兵器や化学兵器などの軍事面に転用されている事実もみのがしてはならない。

今後も、ますます科学技術は発達し、世界の国々の相互依存関係を深めていくであろう。そして、その影響は政治・経済・文化のあらゆる分野に及び、利害の対立が政治問題化し、時には文化摩擦の色彩を強めることもあろう。したがって、私達は、科学技術の発達が人類の福祉に貢献するように、世界の人びとと話し合い、協力しあえる環境をつくらなければならない。

発展途上国の現状と動向

 第二次世界大戦後、アジア・アフリカ・中央アメリカでは、民族解放運動が高揚し、欧米諸国に支配されていた植民地がつぎつぎと独立した。しかし、多くの新興独立国は、経済的には自立できなかった。また、これらの発展途上国は、冷戦の中で、米ソのどちらにも属さない非同盟中立の立場をとり、第三世界を形成するようになった。
さらに今日、発展途上国は国際連合で多くの議席をもち、今までの欧米中心の世界観を変えつつある。
これらの国々のほとんどは先進国の南側に位置するところから、先進工業国との経済格差が南北問題として取り上げられるようになった。発展途上国は、経済自立への努力を積み重ねている。しかし、今なお貧困や飢餓に苦しむ人々も多い。また、政治的には不安定で、基本的人権の保障もまだじゅうぶんではない。そのためこのことが国際社会の不安定要因となっている。
なお、1970年代以降、発展途上国の中で、資源をもつ国や工業化が比較的進んでいる国と、資源が乏しく開発も遅れている国との間で国際格差の拡大など、新たな問題(南南問題)が生じている。