〜まだ梅雨明けしていないというのに蒸し暑い夜。
たまに吹く夜の風がかすかな清涼感を運ぶ。
深夜にまで及ぶ連日のレコーディング。
珍しくRYOとDENは先にあがる。
たまには、とRYOがDENの家に来ることになる。
コンビニで買出し。
DENの家に向かう途中の公園でビールを飲む二人。
音は風と虫と時たま通る車の音だけ〜
自分からは決して話し掛けようとしないDENにRYOは無意識のうちに話し掛けていた。
「そういえば二人だけで話すのって久しぶりやな・・・」
「そうかなぁ」
DENはビールを飲むことに気がいっているらしくかなりそっけない返事である。
そんなDENの様子にイラついたRYOが唐突に言った言葉。
二人きりなってしまえば一刻も早く触れたかった。
引き寄せて自分だけのものだと確認したかった。
「ココでシテもいい?」
「!」
驚きを大きな瞳に映してDENがRYOを見る。
久しぶりの二人きり、いつもSAKURAにDENを取られている分RYOはいつもの平静さを欠いていた。
「ココでか?」
「あっ」
言葉が言い終わらないうちにDENはRYOの腕に抱きしめられていた。
暗い深夜の何もない公園でまぶしいほどに月下美人が咲いた。
一旦抱きしめられると、DENの腕は気が付くとRYOの首にまわされていた。
そのまま貪るようにしたキスはビ−ルの苦い味がして、今の二人の関係を現しているようだった。
RYOがDENの唇を貪ろうとする。
RYOの舌が今すぐ欲しい・・・。
二人はそのまま公園のアスファルトの上に折り重なるようにして倒れ、お互いにキスを繰り返した。
無機質のアスファルトが湿った空気に慣れていたDENの肌を心地よく冷やす。
そうしてRYOはDENの衣服をもどかしく剥ぎ取っていく。
「あ、ココ公園やって、RYO・・・」
思わずDENがキスを止めて言う。
「誰も見ておらんて、こんな綺麗なDEN観ている奴が居ったら俺が張っ倒しにいったるわ」
「なにハズかしい事言っとるんや、そんな奴いたら見付からんようにするんじゃ・・・」
「いや、それだけDENが綺麗って事や」
何のはずかしけもなくRYOが言う。
――あぁ、こんな事言って許されるのってRYOだけやなぁ。
そんなちょっとのDENの抵抗も今日のRYOには無意味だった。
RYOは純粋にただ我慢できなかった、一秒たりとも待てなかった。
DENもそんなRYOに気付いてか気付かないでか夢中になっていった。
触れ合うことが出来ると、普段のなかなか触れ合えないことに我慢できていたのが信じられない。
どうして自分はDENの体温を感じることなく過ごせたのだろう。
どうして自分はRYOの体温を感じることなく過ごせたのだろう。
二人きりでいるだけで、普段掛けていたカギが外れる。
もう、どうでもよくなる。
RYOにされる愛撫からの熱と背中からくる冷たさのギャップがDENをいつもより更に敏感にさせていた。
そのせいか、DENの目と閉じられない口から垣間見える舌は薄暗い中でもひどく扇情的に見えて、更にRYOの目を釘付けにし独占欲を煽った。
――ほかの奴には渡せない
「あっ・・・、ん・・・っRYO・・・」
性急な攻めはDENの意識をごちゃごちゃにし、快楽のみにしか神経が行かなくなっていた。
欲しい。
もうそれ以外は他に何も考えられない。
「DEN・・・」
性急な欲望はRYOを手際よくさせる。
まだ十分に調っていなかったDENの体に硬くなった器官を受け入れさせるため、自らの手につばを吐きDENを楽にさせようとする。
そうして、潤ったDENの体はゆっくりとRYOを受け入れていった。
湿った空気とさわやかな風の中で、月下美人が花開いていく。
蒸し暑い夏の一夜。
RYOはその花の匂いにむせ返るほどの眩暈を感じた―――。
〜DENの家の中。リビング。
2匹の猫がDENの足元に絡まっている。
まだ夜が明けるには間がある時間帯〜
DENの体には公園での情事の痕である紅い花と背中にはアスファルトによる傷ができていた。
「あーぁ、こんなにしてくれちゃってどうしてくれんのよ」
DENは呆れつつRYOに抗議した。
「DENのせいだろ」
「ってなんで?!」
「DENの喘ぎ声は最高やからな」
楽しそうにRYOが言う。
「RYO!!」
「知らんかった?聴いてるだけでイッちまいそうになるからなぁ?」
「知るはずないだろ!」
真っ赤になってDENがリビングから去ろうとする。
RYOはそんなDENをかわいいと思いながら腕をつかんで引き止める。
「今日は寝かせてくれへんのやろ?」
RYOはDENを引き寄せて耳元で囁いた。
まだ月下美人の花は閉じていない―――。
Fin.